あしながおにいさん
でも僕にはわかっていた。
どんなに「弱きもの」の動物に優しい気持ちを持っていても、自分ではどうすることもできないことを
。

ただの精神論である現実を。


だから、最後にはこうあってほしいという妄想をして自己満足で終わってしまう。結局は飼育放棄して
しまった自分は、動物虐待をするような下等な人間と一緒じゃないか・・。

そうやってひとりで自己嫌悪に陥る自分は、今何を求めているのかさえわからない。こっけいすぎるよ
な。

雨は少し激しくなってきた。

自己嫌悪ついでに、あの二人もせっかく楽しいはずのディズニーシーも台無しだな・・って嘲笑してい
る自分もいた。

つくづく情けない・・。


ふと携帯を見ると、メールが着信していた。

なんだろう。まさか薫が写メをわざわざ送ってくるとは思えないし・・。

送信者は、今まさに日記を書いたばかりのサイトからのものだった。

タイトルは「日記コメント通知」・・？
< 21 / 111 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop