あしながおにいさん
そろそろあの二人帰ってくる頃かな…。エレクトリカルパレードとかまだやってるのかな。

結局美雨からのレスはなかった。

でも不思議なことに、もどかしいとか苛々するとか、そんな感情はわいてこなかった。

読みかけの小説読んだりテレビ眺めたり、美雨の日記読んでみたり。

まったりとしてはいるが充実した時間を過ごせた。

美雨からのレスがなかったのも、むしろほっとした。できるだけ長い時間をかけて美雨のことを知りたかったし、美雨は仕事の合間をぬってコメントしてくれたんだ。

きっと携帯をだらだらいじるようなことはできないはずだろう。

まだ見ぬ女性に心から気遣う自分…。

気遣う相手が違うんじゃないだろうか…。


家族間、と言うよりも母子と父親がしっくりいっていない家庭とはいえ、

「これから帰ります。夕食は電子レンジにあった3人分の残り、帰ってからいただきます」というメール
くらいは送ってくる。


少し安心した。

直行バスを使うはずだから、あと一時間半、帰りは10時くらいか。


もう僕は夕食も風呂も済ませ、パソコンに保存してあるアルバムを眺めていた。

前はよく3人で旅行に出かけた。とは言っても伊豆にしかいかないが。
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