あしながおにいさん
「わたし、怖いんです」


「結婚・・することが?」

「はい。彼がわたしを愛してくれてるのはよおくわかります、けど、仕事に対してストイックすぎて・・真面目すぎるのが周囲の反発をかっちゃうんです。そして人を非難して・・もう辞めるとか」



「それはよくあることさ。男ならそれくらいのほうが・・」


「一生付き添う人であってもですか?」


「・・それは・・」


「わたしとの結婚なんて当然のこととしか考えてなくて・・、彼の大変な毎日の中のほんの些細な出来事でしかないんです」



メールで昼休みに話す内容にしては、かなり濃いものになってきた。


受信メールが増えていくたびに美雨のプライバシーの霧が晴れてくる・・


けど、こんなことを打ち明けられてただ聞いてるだけだと、霧はどんどん深まっていくものだ・・。




手を差し伸べてあげない限り・・
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