あしながおにいさん
2年前・・・
本格的な梅雨模様になった6月。
紫陽花が街中に咲き乱れ、誇らしげにその色彩を競い合う。
美雨と出会うまであと数日・・。
「あら、アキおはよう。今夜、忘れないでね」
僕より5歳年上の妻、薫が、僕の顔を見もせず言った。
息子の弁当作りで忙しいからだ。小学校の給食があるにも かかわらず、わざわざ栄養価の高いメニューの弁当を 持たせている。
僕を愛称で呼ぶのもいつものことだ。
僕の名前の「明彦さん」でもいいし、あなた・・これが理想だが・・とかなんとか呼んでほしいと 思ったことはあるが、もちろん口に出したことなどない。
38にもなって子ども扱いされている。
本格的な梅雨模様になった6月。
紫陽花が街中に咲き乱れ、誇らしげにその色彩を競い合う。
美雨と出会うまであと数日・・。
「あら、アキおはよう。今夜、忘れないでね」
僕より5歳年上の妻、薫が、僕の顔を見もせず言った。
息子の弁当作りで忙しいからだ。小学校の給食があるにも かかわらず、わざわざ栄養価の高いメニューの弁当を 持たせている。
僕を愛称で呼ぶのもいつものことだ。
僕の名前の「明彦さん」でもいいし、あなた・・これが理想だが・・とかなんとか呼んでほしいと 思ったことはあるが、もちろん口に出したことなどない。
38にもなって子ども扱いされている。