あしながおにいさん
気がつくと、美雨がまたしゃがみこんでじっと花を見つめていた。よほど好きなんだな。今度は僕も横に並んでしゃがみこみ、きれいな花だねと言いながら美雨を見つめた。
「アキさん、この花の名前知ってますか?」
知ったかぶりする余裕もなく、知らないと答えた。美雨はくすりと笑って花にそっと手をやってこう言った。
「これはブーゲンビリアっていう花です。オシロイバナ科で夏の間こうやってひっそりと咲いてるんです」
「紫色の花なんてあまり見かけないからほんとうに綺麗だね。なんか神秘的というか」
「ですよね。これの花言葉は・・あ、やっぱりいいです」
「え・・?教えてよ。そこまで言ったなら」
「いいですうっ」
ぷいと立ち上がり、歩き出す美雨。まるで幼女のよう。見方しだいではかわいこぶってると言われかねないくらい子供っぽい。
でも、僕は美雨という女性をよく知っている。あのしぐさは男に媚びるためでもなんでもない。
持って生まれたピュアな心がそうさせているんだ。
「アキさん、この花の名前知ってますか?」
知ったかぶりする余裕もなく、知らないと答えた。美雨はくすりと笑って花にそっと手をやってこう言った。
「これはブーゲンビリアっていう花です。オシロイバナ科で夏の間こうやってひっそりと咲いてるんです」
「紫色の花なんてあまり見かけないからほんとうに綺麗だね。なんか神秘的というか」
「ですよね。これの花言葉は・・あ、やっぱりいいです」
「え・・?教えてよ。そこまで言ったなら」
「いいですうっ」
ぷいと立ち上がり、歩き出す美雨。まるで幼女のよう。見方しだいではかわいこぶってると言われかねないくらい子供っぽい。
でも、僕は美雨という女性をよく知っている。あのしぐさは男に媚びるためでもなんでもない。
持って生まれたピュアな心がそうさせているんだ。