あしながおにいさん
道端にはこのブーゲンビリアが咲き誇っていた。立ち止まった美雨に追いつく。
なんだか恥ずかしそうにうつむいていた。
「あの、じゃあ、教えちゃいますけど」
「うん、知りたい。美雨はこの花、好きなの?」
「はい、大好きです。花言葉は・・、あなたは魅力に・・満ちている・・ですっ」
だから恥ずかしがったのか・・。男性から女性に贈るとき、言葉はなくとも花に託す真実の気持ち。僕がこの花言葉を知っていたら、美雨に恥ずかしい思いをさせなかったのに・・。
美雨と知り合って花屋さんに勤めているとわかってから、僕なりに花に関する記事や、道に咲く花に目を向けるようになっていた。
そして今、雑誌のコラムで読んだある花言葉を思い出した。
「美雨?」
「はい・・」
「季節感がないんだけれど、今ここにある花があったなら、そしてこのブーゲンビリアを摘み取っても怒られないなら、二つの花を美雨に贈りたいな」
「アキさん、ある花って?」
「カトレアだよ」
花言葉を知っている美雨の顔が、みるみるうちに桃色に染まっていく。かっこつけすぎとは思わない。
時として恋心は、言葉よりも何かを代わりにして表現したほうが伝わるんじゃないだろうか。僕の場合、花言葉に託すことしか許されないのが現実だけど。
なんだか恥ずかしそうにうつむいていた。
「あの、じゃあ、教えちゃいますけど」
「うん、知りたい。美雨はこの花、好きなの?」
「はい、大好きです。花言葉は・・、あなたは魅力に・・満ちている・・ですっ」
だから恥ずかしがったのか・・。男性から女性に贈るとき、言葉はなくとも花に託す真実の気持ち。僕がこの花言葉を知っていたら、美雨に恥ずかしい思いをさせなかったのに・・。
美雨と知り合って花屋さんに勤めているとわかってから、僕なりに花に関する記事や、道に咲く花に目を向けるようになっていた。
そして今、雑誌のコラムで読んだある花言葉を思い出した。
「美雨?」
「はい・・」
「季節感がないんだけれど、今ここにある花があったなら、そしてこのブーゲンビリアを摘み取っても怒られないなら、二つの花を美雨に贈りたいな」
「アキさん、ある花って?」
「カトレアだよ」
花言葉を知っている美雨の顔が、みるみるうちに桃色に染まっていく。かっこつけすぎとは思わない。
時として恋心は、言葉よりも何かを代わりにして表現したほうが伝わるんじゃないだろうか。僕の場合、花言葉に託すことしか許されないのが現実だけど。