あしながおにいさん
ゆっくり振り向く美雨が、「アキさん、紫陽花の花言葉を一言で表すと・・」
「・・?」アングルを確かめる。携帯の画面に映る美雨。被写体ということを意識しすぎて表情が硬い。
「いい表すと?」
「いや、アキさん、やっぱり自分で調べてください。これだけは簡単に教えられません」
「・・え?どうして?」
「なんでもないですう。早く撮ってくださいい」
「その前に、にっこりしてくれないかな」
ますます硬い表情になる美雨。紫色、薄紫色、淡色のピンク。見事に咲き誇る紫陽花と、もじもじしてる美雨を撮った。
もう一枚、さらに何枚か。
「もういいですよね!恥ずかしいです・・」
「ありがとう、素敵な写真撮れたよ!ほんとにありが・・」僕が言い終わらないうちにすたすた先を歩く美雨。
もう土産物店が居並ぶ通りを抜けて、桟橋が見えてきた。左右に広がる湘南海岸の先にぼんやりと半島が揺らめいている。
潮の香りを、海風が運んでくる。もう4時を回ろうとしていた。
「・・?」アングルを確かめる。携帯の画面に映る美雨。被写体ということを意識しすぎて表情が硬い。
「いい表すと?」
「いや、アキさん、やっぱり自分で調べてください。これだけは簡単に教えられません」
「・・え?どうして?」
「なんでもないですう。早く撮ってくださいい」
「その前に、にっこりしてくれないかな」
ますます硬い表情になる美雨。紫色、薄紫色、淡色のピンク。見事に咲き誇る紫陽花と、もじもじしてる美雨を撮った。
もう一枚、さらに何枚か。
「もういいですよね!恥ずかしいです・・」
「ありがとう、素敵な写真撮れたよ!ほんとにありが・・」僕が言い終わらないうちにすたすた先を歩く美雨。
もう土産物店が居並ぶ通りを抜けて、桟橋が見えてきた。左右に広がる湘南海岸の先にぼんやりと半島が揺らめいている。
潮の香りを、海風が運んでくる。もう4時を回ろうとしていた。