あしながおにいさん
「…たぶん、さっき僕が話したように」
美雨の潤んだ瞳が、まっすぐに僕をとらえた。
「産卵する場所に導いてくれたウミガメがまた現れて、自由に泳ぐ元気な姿を母ガメにみせて、勇気づけてくれるんだよ、きっと」
「…必ず現れる…?」
「うん。必ずね。その母ガメが必要とする時、どこからともなく現れるんだ。普段は母ガメの自由を束縛するようにつきまとったりはけっしてしない」
「…アキさん」
「…だから美雨、悲しんだり悩んだりしないで一歩踏み出せばいいんだよ。僕が…、いや、僕でよければ…、ずっと…」
美雨の潤んだ瞳が、まっすぐに僕をとらえた。
「産卵する場所に導いてくれたウミガメがまた現れて、自由に泳ぐ元気な姿を母ガメにみせて、勇気づけてくれるんだよ、きっと」
「…必ず現れる…?」
「うん。必ずね。その母ガメが必要とする時、どこからともなく現れるんだ。普段は母ガメの自由を束縛するようにつきまとったりはけっしてしない」
「…アキさん」
「…だから美雨、悲しんだり悩んだりしないで一歩踏み出せばいいんだよ。僕が…、いや、僕でよければ…、ずっと…」