あしながおにいさん
美雨は、もしあの日貴方様に励まされなければ、深く思い悩み、迷いながら私との結婚生活を迎えていたことでしょう。
私はわがままし放題で、常に美雨に求めているばかりでした。美雨をそう思わせた責任は、すべて私にあったのです。
そして何より、相手からの見返りを期待しない無償の愛というものを美雨に、そして私に教えてくれました。
私こそ貴方に感謝すべきなのです。
美雨は、貴方に勇気をもらった次の日に、それこそ飛んでくるように私のアパートへ来ました。隠し立てせず、純粋に、それが美雨のいいところなのですが、すべて話してくれました。
貴方様のおかげで私たちも本音を話し合い、これからの結婚生活をなんの迷いもなく迎えることができる・・と確信した矢先のことでした。
夕方になり、食事をとるため二人で出かけました。大きな交差点で横断歩道を私が先に渡り、美雨がすぐ後ろをついて来ました。
信号無視のトラックが、私めがけて突っ込んできたところを、美雨は私を突き飛ばして身代わりに跳ね飛ばされました。
頭を強く打ち、集中治療室で医師たちも全力を尽くして一命をとりとめようと努力してくださいましたが、私たちの願いもむなしく、逝ってしまいました。
死の直前、一瞬だけ意識が戻り、私を見つめて一言だけ残してくれました。
「ありがとう」と。
私はわがままし放題で、常に美雨に求めているばかりでした。美雨をそう思わせた責任は、すべて私にあったのです。
そして何より、相手からの見返りを期待しない無償の愛というものを美雨に、そして私に教えてくれました。
私こそ貴方に感謝すべきなのです。
美雨は、貴方に勇気をもらった次の日に、それこそ飛んでくるように私のアパートへ来ました。隠し立てせず、純粋に、それが美雨のいいところなのですが、すべて話してくれました。
貴方様のおかげで私たちも本音を話し合い、これからの結婚生活をなんの迷いもなく迎えることができる・・と確信した矢先のことでした。
夕方になり、食事をとるため二人で出かけました。大きな交差点で横断歩道を私が先に渡り、美雨がすぐ後ろをついて来ました。
信号無視のトラックが、私めがけて突っ込んできたところを、美雨は私を突き飛ばして身代わりに跳ね飛ばされました。
頭を強く打ち、集中治療室で医師たちも全力を尽くして一命をとりとめようと努力してくださいましたが、私たちの願いもむなしく、逝ってしまいました。
死の直前、一瞬だけ意識が戻り、私を見つめて一言だけ残してくれました。
「ありがとう」と。