3年ライバル 短2編
「中高ずっと文学部だから本当にちょっと走るのがキツいな」
「わかります。
だけど吹奏楽は体育会系文学部ですよ」
先輩は笑いながら立ち上がると「そうだな」と言ってくれた。
「先輩に限って間違えたわけではないと思うんですが、山下先輩って電車逆ですよね」
「うん。ほら、話し聞くって」
あ、そうか
ていうか今日?
「それはわざわざありがとうございます」
小さく頭を下げるとポンポンと頭を叩かれた。
ゾワゾワゾワッッッ!!!!
「や、」
頭を触られるのだけは本当に駄目な私は、こんな公共の場で声もあげる訳にはいかずに口を慌てて抑えた。
「あ、ごめん。」
「い、え、大丈夫です」