3年ライバル 短2編
山下先輩はすぐに私から手を離してくれた。
「時間ある?次の駅に好きな喫茶店あるんだけどそこで話さない?」
「次の駅」
次の駅は、プロコの学校の最寄り駅。
まあ大丈夫だよね
って私は何を心配してるの!?
別に山下先輩といたって疚しいことしてるわけじゃないし
プロコにバレたってどうってことない
………よ。
「嫌かな」
「い、嫌じゃないです。行きます」
***
カランと喫茶店の扉についた鐘が鳴った。
電車を降りた私は、先輩の後をついて喫茶店の中に入っていった。
駅前のアンティーク調の店内にはアルトサックスのジャズが流れている。
大人な雰囲気だ。