3年ライバル 短2編
「それは私が未熟だからで」
トランペットを膝におくと山下先輩の方を向いた。
「……考え事をしていたと言うならば
あの壁に貼られたプロコを外して欲しいと考えていました」
ビシッとプロコを指差した
「え?プロコ?何で?」
「あの顔を見ると苦しくなってなんだかムカつくんです」
山下先輩はプッと笑った。
「なにそれ!!恋!?」
アッハッハと高笑いする山下先輩の言葉に私はフリーズしていた。
「あれ?佐倉ー?」
山下先輩が私の顔を覗き込むけど、反応がないことに驚いて私の肩を揺さぶった。
「佐倉ーっ帰ってこいーっ!!」
………………………はっ
帰って来た。