彼とあたし-もう1人の彼-
「もうすぐ予鈴鳴るから」




黙っていた猛が口を開いた。



「そろそろ戻るか」
「うん」





あたしたちは笑顔で教室に戻った。





―――昼休み..




まさがトイレに向かった瞬間…。




「唯伊ちゃん!」
「…なに?」





男子の集団があたしを囲み、
凄い笑顔で話し掛けてきた。




「なんで彼氏が匡奇なわけ?」
「え?」
「見た目とか…なぁ?」





とブツブツ言い出す男子。





「なによ…いいじゃん!」
「唯伊ちゃん?」
「まさは格好いいんだよ!?」
「…。」
「見た目で判断しないでっ」





男子等を睨みつけ、
あたしは席を外した。

< 114 / 149 >

この作品をシェア

pagetop