彼とあたし-もう1人の彼-
「じゃ…唯伊、さんで」
「一緒じゃん!」




と笑ってまさを見たら…
ふっ…と一瞬だけ微笑んだ。






その微笑みに
あたしは一瞬で惹かれた。




「まさ…ってさ」
「なんですか?」
「…ううん!なんでもない」





“メガネ取ったほうがいいよ”
そう言うつもりだったけど、
なぜかまさを独占したい自分がいた。





まさの深い瞳に
あたしだけが映ってたかった。



だから言葉を止めた。





「あ、そういえば…これ」





小声でまさに封筒を渡した。




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