彼とあたし-もう1人の彼-
じゃあたしを端にしたらいいだけの話し…。



なんだけど、
これもまさの優しさなんだ。





“端は色々と危ないから”
と門を出る前に言われた。



「千尋、いい加減にしとけ」





猛の一声で千尋は
あたしから手を離した。




「ごめんね?千尋」
「唯伊、謝ることないから」
「…そっか」




でも千尋…俯いてるから。





「今度2人で遊ぼうね?」




小声で千尋が呟いた。



返事に困るあたしにまさが…。




「千尋聞こえてんぞ」
「ッチ…俺も彼女ほし~」




暗くなる空に叫んだ千尋。



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