彼とあたし-もう1人の彼-
「うちこっちだから」




気づけば曲がり角にきていた。




「俺送ってくから、またな」




離れることを知らない…
あたしとまさの手。




「またね!唯伊ちゃん」
「バイバイ」





2人と別れ、まさと2人に。




「唯伊」
「ん?な~に?」
「千尋には優しくしてやって」
「え?」
「あんなんだけど…いい奴なんだ」
「うん、知ってるよ」
「変なことしてきたら叩けな?」
「わかった」






まさはどれだけいい人なんだろ。
友達を思う気持ちも
ほんとに誰にも負けないね。



「送ってくれてありがと」
「じゃまたね」
「うん!おやすみ」
「おやすみ」





見えなくなるまでまさの背中を見送った。



< 58 / 149 >

この作品をシェア

pagetop