彼とあたし-もう1人の彼-
隙間から入る太陽の光がなかったら…
この倉庫は真っ暗だ。





「ここに匡奇呼べ」
「は?」
「呼べっつってんの」
「い、嫌」
「生意気な女…そんなんじゃ匡奇から嫌われるぞ」





もう…嫌われてるよ。
生意気だったから?
だからまさはあたしに冷めたの?




「あいつ言ってたもんなぁ」
「ガキの頃にな」




男子はあたしを睨みながら言う。






「生意気な奴は嫌い!って」
「懐かしいな~」




あたしの知らない頃のまさ…。
生意気な奴は嫌い…。




グッと胸に沁みた言葉だった。




「携帯みっけ!」
「か、返して!!」




今まさに会ったら…
振られちゃう。



< 65 / 149 >

この作品をシェア

pagetop