彼とあたし-もう1人の彼-

大事な温もり

気づけば見知らぬ天井が目に映った。





「唯伊?」
「…ま、さ」




なぜか隣にはまさがいた。
そっと微笑む顔には、
小さな傷がチラホラ…。




「…ごめんな…唯伊」





微笑んだかと思えば、
切ない瞳で見下ろされる。




まさにはそんな顔してほしくないのに。





「まさ…」
「…全部俺のせいなんだ」
「…。」
「もう俺に関わるな」
「嫌だよ…まさ」
「俺…守ってやれなかった」





そう言って涙を零す…。
その涙を拭きとっていいのかな?




もしまさの中にあたしがいないなら…
きっとしてはいけないこと。




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