彼とあたし-もう1人の彼-

真実の裏

―――次の日..



「唯伊ちゃん!」




休み時間に響いた懐かしい声。





「猛に千尋?」
「ちょっといい?」




周りの視線を気にしながら
あたしは2人と空き教室へ。





「どうしたの?」
「近藤のことなんだ」
「…桜子?」
「そうそう」




千尋は無言で机の上に座り、
猛は口を開いた。





「最近まさに近づいてんだろ?」
「そうっぽいね」
「もう好きじゃないの?まさのこと」
「んなわけないじゃん!…好きすぎるの」
「…そっか」
「…でもまさは桜子が好きみたいだから」
「だから?」
「まさの幸せを願う」





あたしは猛の瞳を見て訴えた。




これでいいんだ…これで。



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