彼とあたし-もう1人の彼-
俯いて涙を零す。
廊下に落ちていく雫は…
恋の終止符だと思う。





周りの生徒は
誰1人とあたしに声掛けず、
コソコソと話すだけだった。



こんな女…逆に迷惑だしね!





顔を上げ立ち上がろうとした時…。





「ぇ…」
「愛の告白ありがと」




大きな手で目隠しをされ、
目の前は真っ暗…。
そんな中耳元で聞こえた声は…。






「…ま、さ?」
「俺のこと好き?」




手は外してくれず、
あたしの返事に返してくれず、
あたしに質問するのはまさだよね?












< 89 / 149 >

この作品をシェア

pagetop