★悪魔と妹★



ゆっくり

瞬きするように……。



それは一瞬の事で、驚きのあまり布を落としてしまった私がそれに気を取られ、もう一度仰ぎ見た時には男性の目は元通り閉じられたままだった。



(見間違いだったのかしら……?)





首を傾げてもう一度絵に近づこうとした私は、何かに鼻をぶつけた。


「きゃ……」


黒くてふわっとしたものが、突然、私の前に壁となって表れたの。





「シモン様……!?」


どうやら私はシモン様の背中にぶつかった様子。


黒くふわっとしたものはシモン様のお洋服と、髪の毛だったのね。



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