★悪魔と妹★
柔らかく釘を刺され、後悔に眉を下げる私の背中をそっと押されて
「こちらはもう放っておいて、あちらでお茶をご一緒しましょう」
シモン様は店に導いて下さった。
移動の際にチラッと絵画に視線をやったけれど、男性の目は閉じられたまま、ピクリとも動かなかった。
その後は、シモン様とお茶を飲みながら、カタログを見たり、楽しい時間を過ごした為、男性の絵の事は自然と私の頭から離れていってしまった。
帰りには取り置いて頂いていたお茶を忘れず戴き、使い魔さんに送って貰う。
そして思い出したのは、夜寝る前のベッドの中。
とても楽しかったのだけれど
あの絵画の男性は、……一体、何だったのかしら……?
はっきり目を開いたように見えたのだけれど、私の見間違い?
なんだか、心にもやもやとした物を残した一日だった……。
★★★★★★★★★★