★悪魔と妹★



(誰か助けて!)




夢の中で助けを求めていた。


なのにフッとあてられた柔らかいハンカチは現実のもの。



(マイムお兄様……)



汗を拭いてくれている。


ハンカチはほど好く湿っていて汗をかいた肌に気持ちいい。





もう真夜中らしく部屋は真っ暗で外では少しだけ風がふいていた。


お兄様の手がもう一度優しく汗を拭いて私はようやく安心した。





この手が私を悪夢から引き上げてくれた……





「心配したよ」


お兄様は静かに呟いた。




「ごめんなさい……」




「君を叱っている訳じゃないよ



悪いのはボクだ」
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