★悪魔と妹★
「そんな事ないわ?」
お兄様にはとてもよくしていただいている。
それでも睫毛を伏せて気落ちした様子のお兄様に
「私……幸せよ?
今日もとても楽しかったわ」
にっこり笑って見せると
お兄様も諦めたように笑顔を作った。
「本当はもっと色んな所へ君を連れて行ってあげたいんだ……」
お兄様がぱちりと瞬きしたかと思うと、部屋の窓がバッと開いた。
夜の少し強い風にカーテンが舞う。
私が突然の事に驚いていると
「おいで」
マイムお兄様が手を差し出した。