★悪魔と妹★
幻想的な歌声に誘われるように私は立って歩き出した。
歌声のする方向へ向かって。
「わ…」
草むらをガサガサと分けていくとひらけた場所に出た。
目の前は湖。それほど大きくはない。
歌声はここから聞こえていた様子。
だけれど、近づくと足音に警戒したのか歌声はピッタリと止まってしまった。
私は湖を覗き込んだ。
ちっとも恐ろしくなくて
(どんな方があの歌声の主なのかしら?)
一目見てみたい。