★悪魔と妹★
「他に取り柄のない寂れた店ですが、お茶だけはご用意していますのでいつでもいらしてくださいね?」
当然私の目の錯覚なのだろうけれど、なんだかシモン様の周りだけまぶしく輝いて見える。
「……ちょっとシモン
ボクの妹をあまり誘惑しないでくれない?
病弱なのにまた倒れちゃうよ☆」
冗談めかすお兄様だけれど、顔を見るとなんだか不自然。
張り付いたような笑顔。
「誘惑?
他ならぬ親友のあなたの妹君なので、
こちらでの生活が
楽しいものになれば……と
思ったのですが?」
長い髪を揺らし首を傾げるシモン様に、先程と違わず、張り付いた笑顔でお兄様はおっしゃった。
「君のありがたい言葉に
飲んだ紅茶が口から
吹きでそうだよ★」