★悪魔と妹★
「困った事に……」とおっしゃるシモン様の表情はニコニコと微笑んでらしてちっとも困ってらっしゃるように見えない。
「あのねぇ……君
僕の妹は病弱なんだよ?
ほこりを吸って体調が悪化したらどうすんのさー?」
片手で肘を突き呆れたように呟くマイムお兄様。
そんなに汚れているようには見えないのだけれど。
それに、おもてなししていただいてるのにそんな言い方って……
おろおろする私の耳に
「別に……来てくれとか……頼んじゃいねぇよ」
噛み潰すようなそんな言葉が響いた。
(えぇ?)
辺りをキョロキョロ見回すけれど他に人はいない。