★悪魔と妹★
まさか、シモン様……?
見ると変わらずニコニコと微笑んでらっしゃって
「あぁそうでした
あれを使いましょう」
思い出したようにスッとお立ちになった。
(今の声……私の聞き間違いかしら……?)
シモン様は棚から装飾のついた古めかしい箱をお持ちになり、上に積もっていたほこりをふぅっと吹くと、中から手のひらサイズのガラス球を取り出された。
そしておもむろに床に放り投げる。
派手な音を立てて粉々に砕けるかと思われたガラス球は、床にぶつかると音もなく形を崩し、代わりに
「まぁ……っ!?」