★悪魔と妹★
そしてこう付け加える。
「あのチビ悪魔め……」
私は口には出しはしなかったけれど、アデル様の身長もマイムお兄様とさして代わりがないように見受けられた。
「…………」
怒っておられるようなアデル様になんと言ってお声をかけたらよいのかしら?
黙り込む私に、アデル様は
「あぁ、そうだ
娘、本だったな?
ついて来い」
意外にもあっさり態度を変えて書庫へ案内してくださった。
アデル様に続き、店の奥から二階へ伸びる螺旋階段を上がってゆく。
長い廊下を歩いて大きな扉を開くと、個人所有とは思えないくらいのとても広い書庫。