★悪魔と妹★




「大丈夫?
口を開けてごらん」



マイムお兄様が心配そうに顔を曇らせ、私の顎をくいっと持ち上げた。



「お、お兄様?
お待ちになって……
だ、大丈夫よ」



押し返して俯く。


だっていくら兄妹でも恥ずかしいんですもの……




「でも火傷したままだと困るでしょ?」




お兄様も譲らず。


仕方なしに私はお兄様に口を開いて見せた。



(でも、舌を火傷していたとして…それがわかって治せるものなのかしら?)




「あー…舌先がちょこっと赤くなってるね」




口惜しそうにしげしげと確認するマイムお兄様。
< 67 / 127 >

この作品をシェア

pagetop