★悪魔と妹★




更に驚いたのはその後。





店に一瞬の沈黙が流れた後、お兄様達が一斉に吹き出した。




店内に響く笑い声にポカンとしていたのは私と双子さん達のみ。




しばらくあっけにとられていた私だったけれど男性がうつ伏せに倒れたまま起き上がる気配もないので駆け寄った。



だってお兄様達は笑ったままその場から動こうともしないんですもの……。



(倒れているのにひどいわ)





なのに傍による私にお兄様が焦った様子で言った言葉は



「ああ、さわっちゃダメだよ!
ばっちぃから」




構わず男性の体を揺すって声をかけると、顔をこちらへくるっと向けた。




「は……腹減った……」



男性の目は中を彷徨ったあげく、

またバタリと伏してしまった。
< 72 / 127 >

この作品をシェア

pagetop