★悪魔と妹★
「……迷った」
ケルベロスさんの一言にお兄様達はまた笑いが止まらず。
「……でもねぇ」
お兄様は笑い終えた後、切り出した。
「当主に追い出された上、道に迷って、漸く辿り着いたところ悪いんだケド……
ボク今、妹と暮らしてるんだよねぇ。
だから無理」
ケルベロスさんの金色の目が見開かれ私を捕らえる。
「妹・・?」
「は、はじめまして」
ケルベロスさんは訳が分からないというように私を凝視している。
「そう、妹」
お兄様は私をケルベロスさんの視線から庇うように前にたった。