★悪魔と妹★




いつものように使い魔さんがレモン水を運んできてくれる。



冷たくさわやかなそれをコクンと飲んで一息つく。





ふと見ると、


ケルベロスさんの前にもコップが置かれているんだけれど、少し離れたところに置かれていて、木から一定の距離以上は離れられない彼には届かない。



ケルベロスさんは目を潤ませながらレモン水を凝視していた。






マイムお兄様はその様子に私より先に気付いていながらも、それを楽しそうに見ながらレモン水をおいしそうに飲んでいた。




お、お兄様……





「どうぞ」



コップをケルベロスさんに差し出すといつもは表情のない顔がパァッっと綻んだ。




(笑顔が眩しい……)




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