★悪魔と妹★
お兄様はまた本を被って木陰で仰向けになってしまった。
日の光を好きじゃないという割りに気持ちよさそうに見える。
風がさわさわと吹いて草花が揺れる。
幸せな気分に包まれて残ったレモン水を口に含んだ。
「さあ、屋敷に飾る花を摘みましょう」
鋏を持って作業再開。
お兄様のお好きなシラー・カンパヌラタの花を摘んでいく。
後で使い魔さんに手伝ってもらって飾ろう。
そんな事を考えていた時、
「……っ」
指先に突き刺さるような痛みを感じた。