★悪魔と妹★





私がその様子に気を取られていたら、いつの間にか使い魔さんが塗り薬や包帯などの入った小箱を抱えて立っていた。




お兄様は指を消毒液で洗い流した後、包帯を手際よく巻いてくれた。





「痛むでしょう……?」





お兄様が辛そうに私の指を見るので、






「いいえ、もう大丈夫。
ありがとうマイムお兄様」





痛みはまだ引かないけれど心配をかけないように笑顔を作り、マイムお兄様もそれに答えるように微笑んだ。





しかし、その瞳は笑っていなくって






「ビーニィ」





突如、低めの声でそう呼んで庭を見渡す。


口元には変わらず笑みを浮かべて。



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