秘密の想い
FIRST LOVE ━兄妹━

葵と千咲

 
朝。
今日は快晴とニュースで言われていただけあって、いつもより少し暖かい。

わたし、水都千咲の部屋は二階。
間近にそびえる電信柱から垂れる電線に止まっているのは、たくさんのすずめ。

わたしの目覚ましは、毎朝五月蝿く鳴く、すずめたちの声だったりする。

寒い寒い冬の朝。
いくら、いつもよりは暖かいとはいえ、布団から出たくないぐらいの寒さをしているから。

――あと五分っ!
なんて言いたいけど……。

「すずめの目覚ましが聞くわけないよね……」

仕方なく布団から出ようとしたとき、上に何かが居る、そう感じた。

慌てて布団から身体を出すと、予想通り、葵がいた。

「はよ、千咲」

語尾にハートマークでも付いているかのような、やらしい口調。

毎度のことなので、冷ややかな目線を向けた。

「ふつう、朝から妹を襲う?」

.
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