天使の贈り物
沈黙をやぶったのは、どこからか聞こえたアナウンスだった。


「JAL…便、ニューヨーク………」


「あ、あたしそろそろいかなきゃ…じゃ「葵!」


「何?」


「俺…そのうち会いに行くから!」


この時だけ、前原先輩がカッコいいと思ったことはない…。それくらい、今の前原先輩は…カッコよかった。


「…うん。待ってる」

葵先輩はいつも以上にかわいらしく返事をかえし、早々とゲートに向かっていった……


「…おい藍沢。」


…へ?


「おめぇがいると言いてぇこともいえねーだろーが!!」


「…バレてました?」

おかしいなぁ…しっかり隠れてたはずなのに…

「当たり前だ!ほれ、帰るぞ。」



…まったく、しょうがない先輩だなぁ。


でもよかったね、前原先輩…!







次の日、噂を聞きつけた葵クラブのおかげで1日のほとんどの授業が潰れたのはいうまでもない………
< 115 / 160 >

この作品をシェア

pagetop