天使の贈り物
立ち止まっていると、ヨッシーがこっちを向いた。


「夕花…」

おもわず立ち往生してしまった。この状況…どう対応すれば言いわけ…?


「もしかして…聞いてた?」

あたしはとりあえずうなずいておいた。




沈黙が流れた。ヨッシーはあたしをそっと抱きしめた。


「大丈夫」

ヨッシーがそっと喋りかけた。

「夕花は夕花だから。」



それを聞いたら、少しホッとした。

「微笑ましいものですね。12年前はあんなに小さかったお二人が今こうしてここにいる。私めにとっては嬉しい事です。」


12年前…やっぱり何かあったんだ…。

「爺っ!」


「あっ、…失礼して。」


「もう夕花っ!そんな顔しないっ!!笑って。にーっ」


「や、ヤダいたいっ。顔ひっぱらないで!」


「あ、ごめん…」


しゅんとした顔やめてくれません?


「ふぁ~あ。」

「おや、夕花様。お部屋へご案内いたしましょうか…?」

「あ、お願いします。」
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