いじめｯ子には報復を。

ついにスリッパまで来たか。

どうしよう。



「あ。」

「え？」


声のした方に顔を向けると、同じクラスの長谷川クンがいた。


金に近い茶色のソフトモヒカン。

キリリとしたつり目といかついアクセサリーで、見た目はちょっと威圧的。


耳もバッチリ、穴が空いてるね！



「おはよーう。」

「…おはよ。どーしたの？」



おっと、立ち尽くしてるの見られたか。

てか、その前の間はなんだ？


「あー…ちょっとスリッパがね……旅立った。」



目的地は知りませんが。



「…あー……隠されたの？」


「まぁ、そんな感じ。」



あたしがボスのいじめのターゲットになっていることは、クラスはもちろん同学年くらいには知れ渡っている。


まぁ、女子がみんなシカトしてたら、わかるよね。



男子はみんな我関せずと言ったところか。

たぶん『女ってこえーなー』ぐらいにしか感じてないだろう。