いじめッ子には報復を。

「すんまっせーん。

スリッパ旅立ったから、代わりのスリッパくださーい。」


こんなんで借りれんのか?



「旅立ったって…あなたねぇ?」



なんだその、何ふざけたこと言ってんだとでも言いたげな視線は。

仕方ないじゃないか。本当のことなんだから。


「細かいこと気にしたらあかんで!!」


「はいはい…スリッパならそこの段ボールに入ってるから勝手に持ってきなさい。」



やったー。借りれたー。


「ほーい。」




来賓用の茶色スリッパをもらって長谷川クンのとこに戻った。



「あっさり借りれた!」


「良かったな♪」


お、笑うとちょっと愛嬌があるじゃない、あなた。


そんなこと思われているとはかけらも感じていないだろう長谷川クンは、そのまま前に向き直り進んでしまう。


あたしは追いかけて隣に並び、二人で教室へ向かった。



< 103 / 257 >

この作品をシェア

pagetop