いじめッ子には報復を。

…今のは空耳だ。



だってあたし今日、
…………前髪あげてる。



グイッ

「うわッ!!何すんねん!!」



いつの間にかボスの彼氏の腕の中にいるあたし。



「シーー…。静かに!」


急に耳元でそんなことを囁かれ、素直に静かにするあたしはえらい。

なんて思っていたら、頭にあごを乗せられた。


……デカイなこいつ。

あたしだってそんな小さいわけじゃないんだよ?160センチはあるもん。

「…俺、中島チャンが好きなの。

だからお前はもう消えて??」



消えてッて、ひでーな。



「………もういいわよ!!別れる!!バカッ!!」




ボスが泣きながら行ってしまった。

それを見送るあたしはなぜまだ腕の中なんだろうか。





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