いじめッ子には報復を。

俺の前に立ち、苦笑いの中島チャン。
俺の顔を見て何か考えてるみたいだ。


かわいいな。

頭一個分下にある、まったく痛んでなさそうな黒髪は、さっき引き寄せたときにサラサラとやわらかく首もとに当たってくすぐったかった。


俺を見上げる瞳はぱっちり二重で少し茶色がかっていて、とてもきれいだ。



これは参った。

肌とかつるっつるだし。


化粧もしてないね?

詩織は化粧しないと家の外に出られないって言ってた。

あの厚塗りの下で、肌は皮膚呼吸できないッて泣いてたよきっと。



いやー、それにしてもかわいい。



「それでは、さよなら。」



なにを考えてるのかと思ったら、帰りたかっただけなのね。

この反応のユルさも好きだよ。
ちょっと興味ある。


「え、ちょっと待とうよ。
今日の放課後はお暇ですか?」


「まぁ。暇ですが。」


「じゃ、中講1に来て。」


「…はーい。」



なんか、あっさりね。

もっとイヤがったり、面倒くさがったりすると思ったのに。

…結局、中島チャンも他の女の子たちと一緒ってことか?





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