いじめッ子には報復を。

あたしたちは、大人から見ても、同世代の子たちから見ても、とても面倒な存在だと思う。



姉は金髪、弟は明らかに異色な真っ赤な頭。



買う専門だけど、誰かにふっかけられれば、ケンカだってしょっちゅうする。



勝手に憧れられて、勝手に怖がられて。



いつしか、あたしたち双子の周りには、バカみたいに頭の軽い連中しか集まらなくなった。


自分の欲ばかりで願望がだだ漏れの視線や、こっちには迷惑をかけるなという拒絶の視線ばかりが突き刺さるけど、

どれも、見ているのはあたしたちの肩書きだけ。


誰もあたしたち自身を見ようとはしなかったんだ。




だけど、この子は違う。


まっすぐに、あたしを見てくれた。



きっと凌斗のことも同じように、まっすぐに受け止めてくれたんだろう。


だから、あたしも凌斗もこの子に惹かれるんだ。




そのまっすぐな視線の先に、自分を映してもらいたいから。




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