いじめッ子には報復を。
俺ら双子です。
〈凌斗side〉
…カチャカチャ…ジャー……ガチャン…
はぁ…
のんと帰りたいの我慢してのバイトなのに、皿洗いかよ。
本当はホールで接客する予定だった。
だけど……
「――ッ!!凌チャ…ーさーいー!」
カウンターでなにやら揉めてる声が聞こえる。
…“凌チャン”らしき単語が耳に入ったけど、聞き間違いだと思いたい。
そうであってほしい…。
でも店長に「いいって言うまでホール出ちゃダメだからね」と結構マジなトーンで言われたのは、たぶん、いや絶対、100パーセント、今もめている客のせいだと思う。
俺のことを“凌チャン”と呼ぶのは、ただひとりだ。
少しすると静かになった。
帰ったんかな?