片恋
放課後、私は何もなかったかのように、井吹先輩と一緒に練習した。

“井吹先輩が心配してくれた”という事で、私は少し元気になっていた。

自分の思い込みかもしれない。という事などすっかり忘れて…。

帰る頃にはもう夜8:00だった。

井吹先輩がまた、家まで送ると言ってくれた。でも、今日は家に誰もいないので、井吹先輩を食事に誘った。

だが、返事はNO。
理由は、お母さんが風邪で、看病しなきゃいけないんだって。

お母さん思いなんだね。

私はこの時、井吹先輩が食事を断った本当の理由を、まだ知らなかった。
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