戦慄の魔説
次の日の朝

昨日はあれからすぐに帰り寝てしまった

今は中庭で昨日の鎖が巻かれた刀を眺めながら記憶を整理していた


「なんか母さまが言ってたんだけどな~何だったかな」

記憶の欠けた部分を思い出そうとするがあと少しでわからない

俺は村にずっとは居られないから結界も強くしなきゃだし、早く思い出さないと


「朝からなにをやっている」

「蓮華か…ちょっと記憶の冒険にさ。木刀ってことは朝稽古?」


木刀をもち動きやすそうな着物で立っている蓮華は懐かしく感じる


「それがどうかしたか?……そうだ、久々に相手してやろう」

「いや、俺は全然やってな」

問答無用で木刀を投げてくる
せめて最後まで言わせてくれよ…

木刀を構えると昔の記憶と重なる


「さあ…いくぞ!!」


最初から全力投球の蓮華は間合いをすぐに詰めてくる

一歩下がり刀を受けた瞬間
刀の軌道が上から下に変わり木刀を弾かれ首スレスレに寸止めされた


「鈍ったな…力はそれなりにあるみたいだが無駄があり過ぎる…昔のが今より強かったと記憶しているぞ」


「懐かしいねぇ蓮華には負けてばっかだった。まだやるぞ!!」


それから昼前まで稽古は続き、寸止めだったのに止めることはなくサンドバック状態になってしまった

容赦ないし痛いし
中学生の木刀を旅行で買う少年たちを止めなければと思ってしまう


それから風呂に入り痛い体に鞭を打ち昼ご飯を作ることになった
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