戦慄の魔説
それからしばらくして3時頃翡翠さんがきた

「これを見てください」


差し出されたのは母さまの愛刀だった

あの襲われた日は普通の刀を持って行ったらしい

「これは霊守家代々伝わる刀です。これも使用者に合わせ形を変える物です。今の霊守家は真実くん一人、あなたに託しましょう。」

右手で受け取ると鎖に吸収された


「じゃ改めて出してみましょう。」


右手を構えると刀が出てきた

「真っ黒かよ」

「おやおや、こんな姿になったのは初めてですねぇ」


黒に木目が入っている
母さまが使っていたやつの色違いのような感じだ
鞘から抜いてみる


「はい!?」

「おやおや…これまた面白い」


刃は真っ黒で触ってみても切れることはない

「これは黒錆のような物みたいですね。これがほんとの姿って感じじゃないみたいです。名前は…そうですねぇ…闇刀漆黒(あんとうしっこく)ってのはどうですかね?」


闇刀漆黒…霊守の刀

母さまから受け継いだ刀
これからこいつに助けられるであろう愛刀を鎖に消した


「次にあの問題児二本何ですけどね?」

「なんで問題児なんですか?」


腕を組み扇子をぱしぱししながら翡翠さんは言った


「どうやら全力の霊力を注がないといけないみたいなんですよ…何というか使い手を試すみたいな事なんですかねぇ」


「全力って事は鎖を外さないといけないわけですか?」


「そうみたいなんですよ…そうなるとなかなか大変でしょう?私も何が起こるかわかりませんからねぇ。用心しましょう」


二本を持ちながら中庭に行く

鎖を外すとなるとまた気を失うかもしれないし我を失うかもしれない

そうゆう大変を翡翠さんは言っていたのだろう
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