戦慄の魔説
まあひとまず理解したってことにしておこう

「じゃあ男同士外で語ろうか」

少しにやけた顔で暁さんが近寄ってきた

「嫌ですよ!!外暑いし」

嫌がる俺をまるで猫を掴んだかのように首のとこを持ちながら外まで引きずった

「じゃあこれ持って」

それはほうきの掃くとこがないみたいなやつだった

「なんですかこれ?」

「それは棍って言うんだ。今からこれで俺と戦ってもらう。なに心配するな、ちゃんと手加減するからチャンバラするつもりでやってくれ」

チャンバラって…こんなのつかったことないし、無理でしょ

断ろうとした刹那、頭に痛みが走った

「痛っ」

「油断禁物!やっぱセンスないのかな~真実くん」

そう言われたことで何かに火がついたきがした


始めてから30分、だいぶ慣れてきた
棍の長さ、扱い方、慣れると面白いかもしれない。
…まあ自分流だけども

「なかなか慣れてきたな、そういえば左目どうした?」

「それが、あの事件以来開けないんですよ」
「じゃあ開かせてやろう」

その瞬間、腹部に痛みが走った

観客をしていた先輩たちも焦っているみたいだ

「さあその眼帯を取れ、じゃないと殺すぞ?」

すると左目がざわつき、変な感情が沸いてきた

殺す?
やだ、死にたくない、しにたくない、シニタクナイ

すると体が軽くなり耳は敏感になり、尻尾は逆立ち、俺の意思で動かなくなった

「やっぱりな。真実、お前は体に犬っころを飼ってるんだな。」

殺される前に殺す

そんな感情が俺の心を支配していた。

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