戦慄の魔説

それは遠い過去か近い未来か…
もしくは作り話かもしれない


ある一人の少女が生まれたての赤子を抱いていた
彼女は…彼女たちは若く…若いながらの罪をした

望まない命…望まれない命
それがこの赤子だ…

若い彼女に育てることはできるはずもなく
遊んだりしたい年頃だった…

彼女は…一つの命を捨てることを選んだ…

それが悲しい結果だと気づいていた…

しかしその答えを選んでしまった…

彼女たちは…遠くに行くことにした…
世間の目は…冷たく…汚れた物を見るかのような視線を浴びた

その道中の駅に…コインロッカーがあった

彼女たちは…寝ている赤子をロッカーに入れ…電車にのった

赤子は起きると暗闇だった
泣こうとしたが我慢した
待ってたら来ると…迎えに来ると信じて…


それから数日後…ロッカーから死体が見つかった
腐敗がひどく性別がわからないほど

しかし魂はそこに止まった

いつから迎えに来る
きっとあと少し

そう思いながらずっと…暗闇にいた


彼女たちも見つかった

しかし変わり果てた姿で…

海から見つかった

お互いが離れないように紐で結ばれ…


それを知らない赤子は待った

月日は流れた

希望は絶望に変わっていった

捨てられたと…きずいた

歩く人は…誰もきずかない…

赤子は一人暗闇にいる

心も黒く染まり


怒りの矛先は…少女と同じくらいの若い少女に向いた


まま…どうして…捨てたの…？


その怒りをぶつけるかのように…ひたすら

まま…まま

と言った


聞いた人々は噂を広めた

その度に怒りは増えた


必ず怨みをはらすと


この話は嘘かも知れない
ほんとかもしれない

この結末を知るものはほとんどいないだろう


しかしこれがコインロッカーベイビーの…今戦っていた少女にとっての真実だった…