戦慄の魔説
「飲むしかないんですね」

「ああ、じゃなきゃお前が死ぬぞ」


飲むしかないのか…


「真実くん…飲んで…」

そういって近づいてきた灯に血が騒ぐ

「じゃいくよ」

「うん……っん」


初めて血を吸う感覚

よく聞く吸血鬼になったとは信じがたいが
周りから見たら今の俺は吸血鬼なんだろう


「灯……痛かったか?」

「はぁはぁ……大丈夫だよ」


すると体が動くようになってきた

「はやく鎖解いてください」


「お前の力だけで出れるぞ」

そんなわけ………出れた

てか鎖が力で切れた…そうとうな馬鹿力


「じゃ俺行きます!!銀狼!先輩の匂い追ってくれ!!」


それからすぐに向かった

「これから大変だがあいつなら大丈夫だろ」

師匠がそんなことを言っているなんて知るはずもなかった


「体が軽いな!!飛べる気がする!ってか銀狼!!お前羽生えてるぞ!?」


見ると背中には小さな黒い羽がある
牙も少し長くなったかもしれない


「吸血鬼の血ってやつか…まさかニンニクとかだめになったりしないよな!?」


とか言ったりしてひたすら走っていた
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